自棄っぱちオプティミスト

Perfumeさんの代々木第一体育館ワンマンライブ2DAYS「ディスコ!ディスコ!ディスコ!」を見てきました! ディスコォォォオオオオ!!!(これはAKB48チームBのまゆゆこと渡辺麻友さんがブログなどで度々刻印するthee michelle gun elephantをリスペクトした「シスコォォォオオオオ!!!」という魂の叫びを更にリスペクトした表現方法です) そんなわけで僕は2階席の隅っこの方で細々とPerfumeさんを見てきたんで、妬みと嫉みと僻みに満ちたキモヲタ感想を書きます。はてなスターやブックマークがたくさんつくような、楽曲の素晴らしさとかPerfumeがイジってた機材の詳細とか彼女たちが着ていた衣装などが知れるオシャレブログを見たいなら他をあたってくれよな(既に嫉妬心に溢れた日記は始まっているのだ)!

本来の時間よりも開場が遅かったので、どうせ開演も暫く時間が経ってからであろうという憶測のもと、僕と友人が売店Pinoを買っていたら係員の方々が「このウジ虫どもがなにをノロノロしてやがる! 開演するから場内真っ暗にするぞ! 急げ! 急げ! 急げ! マスかき止め! パンツ上げ! ほらどうした! じじいのファックの方がまだ気合い入ってる!」とケツを叩いてくれたのでなんとか開演に間に合いました。僕は知覚過敏に苦しみながらもピノを人生最速の早食いで胃へと流し込み、手を叩いて彼女たちの登場を待っていました。すると、センターステージの先端に置かれた巨大なミラーボールを模した金属のオブジェ(僕のような弱小ヲタが座っていたクソ席からは判別することは出来なかったが、幾つかの小さなミラーボールがそのオブジェに内包されているようにも見えた)がスポットライトに照らされて天井へと浮かび上がってゆく。友人と「一曲目はなんだろうね?」なんて話をしていたら、何の捻りもなくワンルーム・ディスコだった。それはともかく迫から上がって来たのは、あの、Perfumeさんやあああ!!! でもぜんぜん見えねえええええ!!!!! あ、横のモニターに女の子が映ってる! あ、やっぱりPerfumeさんやあああああ!!! でも俺が本当に見たいのは前髪がバッチリ額に張り付いた汗だく暖簾のっちとマスカラの重みに負けて瞼が閉じてしまうのではないかと心配になってしまうかしゆかと気を抜いた瞬間に魂が抜け出てゆきそうな間抜け面した天使あ〜ちゃんなんだよ! アリーナ死ね!

しかし出し惜しみせず早々に2曲目でポリリズムが来たときは2階席だということを忘れて狂喜乱舞。武道館であ〜ちゃんがマストアイテムだと説法していたので着て来たスキニーが、キックの音でビリビリ震えるくらい気合の入った代々木使用の音作りでした。P.T.Aのmovieでも宣言していたとおり攻めのセットリスト、続いてはシークレットシークレット。いやあ良い曲だ。何回聞いても泣ける。何度見ても三人が向かい合いながらフィンガースナップをする姿には泣いてしまう。そしてedge。「気になる〜♪」リフレインでの耳塞いでイヤイヤッ!ダンスからジョジョ立ちへの流れは、日本のアイドルという風土の臭いを感じさせないスマート感がある。スクリーンに流れているMVは(僕の勘違いでなければ)武道館から微妙に変化していて、Perfumeの3人が毛皮のフードをかぶっていた。演出もこの曲にやたら力入れていて、花道を移動するステージの上でPerfume様が「キサマら何を見下ろしてくれてんじゃい!」と2階席の客に向かって屹立と指差し主従関係を叩き込んだり、自分たちでミラーボールやスクリーンをライトアップさせて僕たち犬を愛玩してくれた。スクリーンには「What is DISCO?」の文字。今回のテーマがこれらしい。


MCでは(倒叙してるかも)、つうかあの仲である3人の団結力は相変わらずで、あ〜ちゃんがいつものように喋り倒しながら途中で脱線しても「あれなんだったけ、エスキモー?」→「シンパシー」→「テレパシー」→「エスパー」と見事なリレーを果たして他のメンバーが天使語を通訳してくれる。今回のライブも恒例行事としてストレスを発散するかのようにあ〜ちゃんが無邪気トークを繰り広げていたのだが、やっぱり昔よりも話のテンポが遅くなっている。丸みを帯びたというか、言葉を脳へと緩やかに流し込むように語り掛けてくる。それこそ昔はマシンガンのように、カウンター精神丸出しでAKBの名前を出したりしながらダダダダダダダ!と怒涛の勢いで言葉を掃射していた。ポピュラリティーを獲得したあ〜ちゃんが「こんなんじゃ満足できねえぜ! 納得いかねえぜ!」と誰彼構わず乱射するのは、それはそれで違う気もするけど見てみたい。現状、今のあ〜ちゃんの標的は身内になってきているので仕方ないとも言える。


コンピューターシティはカッコイイっすね。やっぱカッコイイもんは何処でやろうがカッコイイんすよ。plastic smileはねぇーほんとアレっすよーねぇーマジで、いやぶっちゃけこの曲なにが面白いんだかわからない。音楽に疎い人間の恥知らずな見解なんですけど、Baby cruising Love以降って上半身を動かす(クラップを自発させるような)四つ打ちは増えたんだけど下半身から跳ね飛ばすようなフロアサウンドが極端に減った気がする。なもんで、ライブでやる必要性を見出せないまま、どういう心境でplastic smileを見ているかって言ったら、「Perfumeカワイイ!」の一言なんですよね、うん。それはともかく、マカロニ! イントロから会場全体で手を鳴らし、巨大な残響が心地良い一体感。マカロニの持つ会場全体を統括する包容力はどこから来るのだろう。単純にメロディーの美しさもあるけど、見る人の心身にまで浸透するキュートな振り付けに魔法がかかっている。この思いは、話が前後するが今回のライブのラストでより強く感じたことだった。


ここのMCではPerfume様が花道をわざわざ練り歩いて下さり、今日のためにPerfume様の気を引こうとコスプレやPerfume関連のアイテムを必死で作り上げてきた下々を双眼鏡で拾い上げて下さる。いやーPerfume様は優しいなあ。ここはPerfumeのライブなのに9mmやホルモンのタオルにも気付いて下さるもんなあ、いやー寛容だなあ。あー似顔絵やタイガースのグッズをPerfume様が喜んで受け取ってる、いやー心温まる光景だなあ。ハロプロの現場だったら横断幕とか掲げているヤツラがいたらボード厨批判が速攻で始まるのに懇切丁寧にアフロ・グループの名前まで聞いてくださるものなあ、いやー心洗われるなあ。こういう退くt──慈しみ深いやり取りをどのツラ下げてみんな見てるんだろうと思ったら笑いあり拍手ありで大歓迎だもんなあ、いやーもうファンまでもが慈愛に満ちてるもの、たぶんあの1万人以上いる会場で「アリーナ死ね!」なんて本気で思っていた腐敗しきってる奴は僕くらいだもの、武道館でアリーナのAを経験したんだから本来ならば甘んじてこのクソ席にすら感謝しなければなりませんよ、だけどアリーナの浮かれ具合(ヤスタカのコスプレをしている人を見つけて「中田さん、アリーナで大丈夫?」と心配していたのには笑ってしまった)を見てたら、ライブハウスで超圧縮の中で汗まみれになって振りコピしては横のヤツラと顔面に肘を入れあい周りのことなど一切考えずに一歩でも最前へ近づこうと押し合い圧し合いそれでも女の子が来たらスペースを空けてあげるシャイでキモイ感覚が懐かしくなっちまうんだからしょうがねえだろうが!!!!!!


すいません、取り乱しました。love the worldの後にはSEVENTH HEAVEN。どうやら皆さん待望の曲だったらしく、イントロの時点から代々木は異様な高マリ。そうか、武道館でやってなかったんだーと個人的にはそのぐらいの感想しか出てこなかったが、きたああああNIGHT FLIGHT! 完全に沈黙して微動だにせずPerfumeを見つめ続ける俺。むしろ客うるせボケ!ぐらいのノリでPerfumeガン見。結果、なんも覚えてない。そのぐらいシングルカットして欲しい良い曲です、攻めろ徳間! 衣装換えのビデオクリップは、edgeのときに流れていたMVの黒Perfume3人組が、真逆のスタイルであるズッコケ白Perfume3人組に「DISCOってなんやねん!」と命令して、ジャスコなどを経て白Perfumeが辿り着いた結論は「DISCOは代々木にある! あなたたちの指図はもう受けない! 私たちはみんなと踊るんだ!」と黒Perfumeを蹴散らし、リズムマシンと戯れながら皿を回す感動巨編でした。なによりPerfumeがめちゃくちゃカワイイイイイイイイ!!!!!!!!! このVを見るためだけに後々リリースされるであろうDVDを買おうと決めた。

YoYoGi DISCO MIXはメチャクチャ楽しかった。Baby cruising Love(この曲の配置は完璧)からGAMEを挟んでコンピュータードライビング(ハンドル握ってるのが俺の周りは2,3人しかいねえええ!)でおいしいレシピに跳ね上がりTwinkle Snow Powdery Snowを通り抜けてリニアモーターガール!うっひょー!ってニヤけてセラミックガールのお約束事を思い出したらスウィートドーナッツ!!! これを聴いて、僕が友人に即座に言った感想は「もったいないお化けが出ちゃうよ!」でした。MIXのアレンジが素晴らしいのか、それとも原曲の力がすごいのかハッキリさせるために、次のライブでは試しにスウィートドーナッツを単体で出しませんかPerfumeさん! でもジュリアナを含めて最高に楽しかったです。


そんな中、Perfumeの告白が始まる。自分たちの置かれている状況や刻々と変化する周りの環境、普通の生活、大学、テレビ、ファンとの距離、葛藤と苦心、あ〜ちゃんは涙ながらに「Perfumeに青春の全てを費やしてきた」と語る。あ〜ちゃんが特別なのは、弱さをストレートに曝け出せることではなくて、本気でファンを信頼していることだ。みんなの混交とした愛を一身に受け止めつつ、その相手に向かって素直な胸の内を極めて自然に──まるで十年来の友人に語りかけるかのように──話してみせる。純真無垢とも天衣無縫とも言えるその行為は、ファンを信頼している証でもある。だからこそどんなに売れっ子になろうとも、常套句となりつつある「見捨てんでね」には肺腑を衝くような重みが未だにある。僕はハロプロやAKBも大好きなどうしようもないアイドルDDなのですが、Perfumeだけはどんなことになろうとも見続ける気がしています(単純にライブが面白いっていうのはデカイ)。Perfumeは間違いなくアイドルです。


Dream Fighterからパーフェクトスター・パーフェクトスタイルのラインは泣けた。「もう届かない」と言っていた夢を手中に収めた彼女たちは「まだ物足りない」と更なるステージを目指した。しかしこのステージではその流れを逆行するかのように歌い上げ、夢を握り締めた手を再び上空へと掲げて指を振る。観客も同じように手を掲げる。一斉に振られる1万以上の指は彼女たちからすれば星のように煌いて見えるのかもしれない。初心はここにあるんだとPerfumeが僕らに伝えているような気がした。そんな酷く気持ち悪い妄想を一笑に付すかのように急激なチェンジアップでジェニーはご機嫌ななめが始まった。コールが礼儀作法の一つであるAKBの現場に通い始めたせいなのか、思わず旧コールを叫びたくて堪らない衝動(むしろなぜこのタイミングじゃないんだ!と疑問に思うほど)に襲われるが、冷静を装い、涎と汗を飛び散らせながら全力で3人の名前を叫んで発狂で候。2階席の距離感を無視してPPPHをしていたら、周りのみんなが途中から乗ってきたのでPerfumeってすげえなと思った。

そしてそして武道館に続いてやってきたPerfumeあ〜ちゃん)フリーダムタイム。今日はaiko煽りやんないんだーと感心していたらここに来て発動(女の子の歓声の大きさにビックリ)! 続けざまに「Say Ho〜!」と呼びかけてはSurvival dAnceと流れ込みラストは案の定ultra soul!!! これは最早パクリの域を超えている! ヤスタカを踏襲した何の衒いもないサンプリング行為なのだ! この煽りMIXを編み出した時点であ〜ちゃんこそがオリジナルなのだッッッ(血眼で口から泡を吹いてます)!!!!! そんなこんなでチョコレイト・ディスコ! 問答無用! 踊りまくり! 興奮の坩堝! さすがにこの曲は振りコピ率高い! やはり別格の曲です。Puppy loveは事前にPerfumeからの説明がなかったのに「上下上上、下上下下」を実践している人がたくさんいて、バカだなって思いました。本当に素敵なバカがたくさんいるからPerfumeのライブは温かいんです。バカにならないほうが圧倒的に損です。コスプレするのも絵を描くのも横断幕書くのも手作りのガジェット持ってくるのも結局は愛。その穿った愛を全部OKにしてしまえるピースフルなPerfumeが何よりも素晴らしい。どんなバカもライブの一つとして受用するアビリティーと、ファン以上の大きな愛を持っているから丸呑みできる。


アンコール一曲目は、必・殺・Perfume! アリーナで発せられたアンコールがこの曲の「パ!パ!パ!パ!パ!パ!Perfume! YOU! YOU! YOU!」でした。アンコール中にこれを聞いた僕は「面白いことやってんなあ」と感心して友達に話しかけたら、「つーか次の曲Perfumeなんじゃねえの?」と言われて、「ハッ!? ……殺す!!!」というドス黒い感情へと瞬時に変わりました。mixiは日記を読むことと書くこと以外に活用していなかったので、人様のブログを読むまではこの騒ぎを全く知りませんでした。 でも最終的には追随して手だけ叩いていたのですが、途中から「アンコーーール!」という声も入ってきて、新コール対旧コールみたいでウケルーと他人事でいたら、アンコール後とは思えない生温いステージへとPerfumeが申し訳なそうに出てきたのには、どげんかせんといかん!と思いました。それでも”Perfume”自体は最高に楽しい! 2階席もアリーナの勢いに負けないぐらいの弾けっぷりで、みんな飛び上がっていました。最高の詩を木の子先生は書いて下さったよ! ナイス発注あ〜ちゃん

最後は、願い。僕はこの曲大好きです。インストだけでもずっと聴いていられます。ミニマルなのにメロディアスだし、 篭ったスネアとハイハット新雪を踏みしめるような鈍いキックの音がこれだけで冬を連想できるし、まんま心臓の鼓動に聞こえてしょうがない! Perfume3人の声質を絶妙に活かしたボーカルと一緒に和音として耳に入ってきたときの切なさったらないでしょうよ! 即感涙御礼ですよ! なぜこれをリードトラックとして世に出さないんだと何度も思いましたよ! でもやっぱりこれはライブでやる曲じゃないなあと思いました。一人深夜のベッドルームで目を瞑りながら聴くのがベストだと思います。ジャンルで言ったら同じバラードに区分されるであろうマカロニはライブでも通用するのに(僕が勝手に思っているだけ)、ライブの中でこの曲にそこまでの求心力が生まれないのは、やはり振り付けの問題もあると思います。のっちとかしゆかが座り込み、あ〜ちゃんが一人立って歌い上げる構図(この配置だってMIKIKO先生が考えたのだろうけど)は完璧なトライアングルで情動を充分に震わせるものがあった。もしかしたら最後の願いに込められた想いには、Perfumeとファンの「平行線」を越えようという意図があったのかもしれませんが、歌を真摯に聴かせる演出は、結果的にアーティストとオーディエンスの壁を明確にさせてしまう形だったと思います。今でもライブのセットリストをPerfumeが考えているんだとしたら、やはり最後はwonder2で終わらせて欲しいです。Perfumeとファン、そしてファンとファンの壁すらも消し去るwonder2で最後は笑って帰りたいです。好きとか言葉はないけど繋がりあいたい、これが本当の願いです。