Welcoming Morning

エジソンの母がデタラメに面白かったのでPerfumeのライブを見て思ったことを書きます。

カウントダウンライブ後の爆発しそうな熱が翌日になっても一向に冷めず、とにかく誰かにこの感動を分け与えたい衝動で狂いそうだった。でも友達が一人もいないので、やっぱ血の通った親友よりも2秒で絶交できるネットの住人だよね、とmixiPerfumeコミュを覗いたところ興味深い展開になっていた。

所謂、クラバーと呼ばれるイキフンをビンビコビンに発した方が最前列付近のノリに首を傾げていた。残念ながら現在はコメント自体削除されているが、非常に面白い流れだった。テクノ対アイドルという構図よりも、その二つが逆のベクトルを向きながらも同じフィールドに存在してしまう事態が何より面白い。僕の周りのお客さんにも、人差し指と中指を突立てPerfumeのコールなんて無視して興奮している人がいたし、それどころかPerfumeの顔なんて一切見ないで重音のバスに酔いしれて目を瞑りながら地団太を踏んでいる人がいた(僕には本気でオッサンが駄々をこねている姿にしか見えなかった)。それを見て首を傾げる前にPerfumeって心底すげえなと尊敬してしまった。ロックファンもテクノファンもメタルファンもアイドルファンもお構いなしに許容して愛せてしまう(愛してしまう)ポテンシャルを持っているのは本当にこの世界でPerfumeだけじゃないだろうか。

オーディエンスの自由・自主性が高まる分だけライブの一体感は損なわれる。そしてその数が増えれば増えるほど、互いの思惑や価値観がぶつかり合う。前列のノリを鼻で笑っていた人間を僕自身は理解できないし、色々なメディアでPerfumeって面白いなぁと興味を持ちライブに来た(アイドル的ライブの耐性がない)人にとってはコールに嫌悪感を示す人もいるのだろう。この先、Perfumeを取り巻く環境が巨大になるに連れてその相違は比例してゆくのかもしれない。だけど、その溝を埋めることが出来る力をPerfumeは持っている気がする。最低限のマナーというラインを引く行為すら億劫だけど、排他的にやって一極化を求めることより、ありとあらゆる可能性を巻き込みながらもみんなが幸せに笑ってさようならと言える世界をPerfumeは生み出してくる───そんな淡く、それでいて強固な期待を暴力的にもしてしまう。なぜなら彼女たちがアイドルだからだ。クローズされた場所で一定の利益を搾取する空虚なシステムを崩壊させて、無限に広がった世界と世界を繋げる本当のアイドルだからだ。つまり、自分対それ以外ではなく、自分対Perfumeであるべきだ。Perfumeとあなた=P.T.A.だ。そう、君もPerfume公認ファンクラブ”P.T.A.”に入って僕とファンクラブ限定イベントに出かけよう!!! 僕を独りにしないで!!!!!!!!!!!!


なんとなく言い訳がましく、僕のスタンスみたいなものを書いておいた方がいい気がしました。誰かが書かれていたように、もしかしたら1年後には別の『アイドル』と呼ばれているグループにPerfumeよりも熱中してしまう可能性が極めて高い軽薄な人間です(つーか現段階で好きな女の子は泣けるほどいる)。でも現時点でそんな気は更々なく、今一番面白いのはPerfumeであると、この瞬間は心からPerfumeが「大好きだ!」と大声で言える自信だけはあります。なんの説得力もない、こんなにもいい加減な人間ですが、そんな私にすらPerfumeは手を伸ばしてくれるでしょうか。とりあえずニコニコ動画の”情熱大陸 Perfume篇”を見て、もう一回泣いてきます。

情熱大陸 Perfume篇 by hideheart - ニコニコ動画