これやらないとやってらんない

ここを読んでいる友人から「お前の気持ち悪さは十二分に伝わってくるが、Perfumeの良さがイマイチ伝わらない」という貴方様にPerfumeの良さをご理解頂けなくても何ら支障はございませんよクソドブ野郎と眉間にボールペンを突き刺したくなるようなお言葉を頂けたので、Perfumeが出演した”三宅裕司のサンデーハッピーパラダイス”の感想を書きます。このラジオは最近顕著な「Perfumeさんのこと前々から大好きだったんですよ」的な持ち上げ番組ではなく、個人的には、西武ライオンズ炭谷銀仁朗に対して「あれ(キャッチャー)って息できるんですか?」とブッ放した伝説の野球ラジオ以来の傑作だった。

何が最高かって、一度見たら誰でも恋に落ちてしまうPerfume必殺の自己紹介に対して三宅裕司のアンサーが「はい、いやーよかったね」という圧倒的なまでの心の無さ! 開始早々、一発目からコレ! そして続け様にアシスタントに向かって「近未来テクノポップユニット、わかる?」、「それなんですか?」と質問するアシスタントへの答えは「だから近未来のテクノポップユニットなのよ」、 思わずあ〜ちゃんが「そのまんまですね」とそのまんまな返しをしてしまうまでにやる気が無い! これぞ三宅イズム! ラジオの三宅裕司高田純次並に恐ろしい。恐ろしいと言えば、三宅に「なんでかしゆか(っていう名前)なの?」と訊かれたかしゆかがアクターズスクール時代の話を始め、最終的に自分の本名を言わないで過去のメンバーの名前を出すという荒業を披露してくれたのにも鳥肌が立った。だが真の恐怖は「SPEEDさんみたいになりたかったです」と可愛らしい過去を語った事務所の後輩でもあるPerfumeに向かって「じゃあわりと早く解散するのかな」と愛・絶無な返しをみせたことだった。

続いて、クイズを答えるリスナー@まさことの電話トーク。このまさこがかなりゴキゲン(≒超・ウゼェ)な素人だった。三宅が「ちゃんとPerfume知ってる?」と訊くと「息子がPerfume大ファンなんですよ!」と興奮気味のまさこ。「嬉しい!」と盛り上がるPerfumeの後押しを受けて、三宅が「息子さんおいくつですか?」と更に突っ込んだところ、まさこから出てきたのは「28と29です!」、あれだけ歓喜していたPerfumeすら一瞬沈黙させてしまうまでに極めてリアルな数値であった。そしてまさこが次に放ったのは「息子の嫁に全部来て下さい」という典型的な素人の悪ふざけであった。俺がまさこの息子だったら29にして確実にグレている瞬間であった。だが、まさこは止まらない。「私も(Perfumeに)混ざって! ミックスジュースで!」、俺がまさこの息子だったら背中に龍の刺青を入れている瞬間であった。最後にPerfumeへの質問として「私、きれい?」とかヌカした瞬間は、息子でなくても実刑覚悟で黙らせるしかないと拳を握った。

今のところPerfumeについて全く触れていないが、ここからがPerfumeの本領発揮。軽い気持ちで三宅が”OMAJINAI★ペロリ”について訊ねたところ、「これは入学式の四月の歌で、入学式の緊張しちゃうよぉみたいな、友達できるかなぁみたいな、で、人という字を書きましたっていうんですけど、人を三回書いて、こう飲み込んだら、緊張がこう消えるみたいな、そういう歌です」20秒にわたるあ〜ちゃん息継ぎ無しの名演説にテキトー魔人である三宅ですら会話に入れず「あぁあ……」と圧倒されていた。そしてあ〜ちゃんはバスケが苦手な理由に「シャァッッ!と出来ないから」と涅槃な答えを導き出していた。三宅も「シャァッッ!と出来ないならバスケはやらないほうがいい」と真剣に応えていた。ちなみにあ〜ちゃんのサラダは「ドブドブ」らしい。のっちは時間にルーズだとよく他の二人に注意されるらしい。三宅に「なんでルーズなのか考えなきゃダメだよ」と追い込まれたのっちに、フォローすることもなく「だけぇ、時間をわかっとらん」「その前に起きないけん」「毎回できん」と当然のようにバリバリの広島弁あ〜ちゃんの公開説教が始まった。これに味をしめた三宅は「なんでのっちの靴だけよく壊れるの?」と絶妙なトスを上げる、それに食いついたあ〜ちゃんが三度暴走。その結果、若干キレ気味に「うん、うん、うん」と面倒になったのっち。このパワーバランスこそPerfumeの醍醐味。

続きましてあ〜ちゃんは、言葉の間に『す』を入れるヤバくて超ナウなゲームにハマっているらしい。三宅が速い曲を聴きたいとリクエストを出したのだが、BoAの曲だと速すぎて『す』が入れられないので、あ〜ちゃんは「のっち巧いよね」と無茶ブリにもほどがあるキラーパスを繰り出した。あ〜ちゃん曰く「『す』を入れるタイミングはセンスの問題」らしい。ストレッチをしないと眠れないというのっちに三宅が「ストレッチをすれば眠れるのに時間にルーズ?」と、いい加減のっち泣くんじゃねえかパスをあ〜ちゃんに出すと、のっち想いのあ〜ちゃんは「そうですよねぇ、ストレッチする時間があるなら明日の準備しとけばいいんよ、(寝る前に)もうメイクしておけば?」と心優しいアドバイスをした。それに対して三宅が「でもストレッチしないと眠れないんだから、もっと遅れるよ」と煽ると、誰よりものっちのことを考えているあ〜ちゃんは「じゃあ起きておけば!?」と究極の回答を出した。受けの天才であるのっちですら「もう怖いです」と完全降伏宣言。三宅が「どういう仲間? コイツら?」と感動してしまうまでのメンバー愛に涙です。三宅が「休みの日はなにしてるの?」と訊いたくせに、あ〜ちゃんが「なにしてるんだろう?」と質問で返した刹那、「じゃあいいや」と切り捨てたのにも涙です。極めつけは、始まって20分以上経つのにかしゆかに向かって三宅が「かし、かしゆ、かしよし」とか言い出したのには号泣しました。涙ついでに言うと、あ〜ちゃんのテクノとの出会いの感想は「ちゃっちいな」でした。

このラジオでのあ〜ちゃんはその天衣無縫ぶりを如何なく発揮していたのですが、三宅に「ダンスも感情をいれずにやってるの?」と問われて、「やらされましたみたいな感じでやるしかないですね」と答えたのにはさすがにかしゆかとのっちからブレーキが入りました。最後にあ〜ちゃんは「ライブに是非来て欲しいです」と言っていたので、僕も明日のAXに行きます。周囲のオサレムードから浮いたヲタク臭を発し、一人ドス暗いオーラを纏い涎を垂らしている人間を見つけてもイジメないでください。話しかけられたら首を噛み千切ります。