僕はいつまでたってもドキドキしていたいんだ

アイドルライブ心中を試みる僕は先日アイドリング!!!hy4_4yhのライブをブッ続けで見てまいりました。今まで軽々しくヲタだとか嘯いていましたが、一線を跨いだ人間の登竜門であるアイドルはしごをやっと成し遂げたことにより、先達の名を汚さぬキモヲタへとまた一歩近づけたのではないかと、若輩ながら邁進してゆく所存であります。

んで、SHIBUYA-AXで行われたアイドリング!!!の1stアルバム発売記念ライブ”ありがとファン様 よろしくファン様”なのだが、なんつーか、もうなんつーか、超・ゆるかった。ゆるかったつーか最早ガバガバだった。拳入っちゃうんじゃねえーの?ってくらいゆるかった。少なくとも僕が見てきたライブ史上NO.1のゆるさだった。ハロプロエッグ公演よりもゆるかった。クラスで人気ある女子グループが調子に乗って文化祭で歌って踊っちゃったレベルのゆるさ。でも、そのゆるさが決して嫌じゃなかった。飽きるという部類の退屈さではなかった。僕がアイドリング!!!を見ていた時代は、まだ遠藤舞まいぷるがお願いファン様(アイドリング!!!番組内のワンコーナー)の投票で1位になれなかった頃で、みんなでなんとかまいぷるを1位にしよう!と団結して8週くらい連覇しちゃってお前らやりすぎだよと自重したら急激にまいぷるの投票数が落ちちゃったのを眺めていた≒まいぷるのほくろを知っている世代なので、今や増員というビックバンイベントを間近に控え、彼女たちも全く違うグループになっているんだろうなあと幾許かの寂しさと期待を込めて見に行ったのだけど、笑っちゃうくらい何一つ変化がなかった。

それがアイドリング!!!のいいところだ。確かに昔よりは踊れるようになっているが、他のアイドルグループを名前を出したら「それを言っちゃあおしまいよ」と寅さんに粋を諭されそうだし、歌唱力は小泉さんが別人と思えるほど巧くなっていたけど相変わらず外岡さん無しでは成立しない気がするし、MCも何も考えていないように見えたAKB48トークにはきちんと秩序が存在したんだ!と反省したくなるくらい各々が何の着地点も考えずにただただ言いたいことを同時に言い合っているので、何を言ってるのか全く伝わってこない。なんつーゆるさだと逆に感動した。だけどもう一度言うけど、これがアイドリング!!!のいいところだ。周りを囲む大きなプロジェクトに対して自分たちのスキルが何一つ追いついていないのがアイドリング!!!の面白いところだ。だってすこぶる楽しそうなんだもん。本人たちは周囲で何が起きようが何をしていようが楽しそうだ。そしてアイドリング!!!ファンの統一性の無さも面白かった。ライブの公演数が少ないのも相俟って衝撃的なまでにバラバラだ。ヲタ芸を打っても周りの反応が悪かったら止めてしまうし、ウェーブをアイドリング!!!から求められても全員がやってるわけでもないし、加藤さんからダンスを強要されてもあまりに長い振りのために途中で諦める奴ら続出するし、アイドリング!!!どころかファンすらもゆるかった。その全てを含めて楽しめた。でも、親族も見に来てらっしゃるであろうミラっちょに対して「スーパーゴリラ」呼ばわりした横山さんは酷いと思ったけど笑った。あと、まいぷると外岡さんはやっぱりかわいい。



対してhy4_4yhだ。飯田橋ラムラというショッピングモールでの何組か合同のフリーライブを見てきた。いや言っちゃっていいかな、これ言っちゃっていいかな、こりゃぃぃぃいいいいイイイイイイイEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!! 僕が飯田橋ラムラに着いたときには大宮アルディージャを応援するチアガールみたいな衣装を着たアイドルグループが唄っていてカワイイからがんばって欲しいなあと思っていたら童謡アイドルポップユニットというどこかで聞いたようなフレーズを持ち出してきて七夕の歌を『彩の国Ver』という斬新過ぎるアプローチで歌い上げていて、左隣にいたヲタモダチと「あれは誰かが止めてあげなきゃいけない」と強く頷き合っていた。そして次に出てきたのがオレンジのツナギを纏ったhy4_4yh。これこそ比べるべきものではないと思うんだけど、なんでこんなところでやってるんだろう?と疑問に感じちゃうくらい全てのクオリティーが前のグループと段違いだった。ぶっちゃけアイドリング!!!とも段違いだった。SHIBUYA-AXでやりゃあいいのにって思った。

楽曲は耳から離れない面白さがあるし、歌唱力も体に響くほどのタフネスさがあるし、ダンスもオーディエンスを巻き込む懐の広さがあるし、MCが始まった瞬間には「なにこれ? なにこれ? なんなのこれ!?」と右隣のヲタモダチとパニっくに陥るほど観客突き放した舞台仕立てのコントを繰り広げていた(どんなにスベろうが揺るがないのが凄い!!!)。とにかく目に入る何もかもが面白かった。あと僕の前にいたヲタのみなさんも感じがよかった。一見しておっとりした女性が突如mix(ヲタ芸との使い分けがわかりません)を打ち出したのを見て衝撃を受けると同時に「やべ逃げろ逃げろ! 新参がこんな前で見ちゃいけねえ!」と逃走しかけたのだが、”ミミララ未来 ”で腕を組んで超・楽しそうに・幸せそうに揺れている様を見て「やべ楽しそう楽しそう! ハイパー参加してえええ!」と一気にハイパーヨーヨーな気分になった。惜しむらくは僕が見たかった”真世紀ハイパゲリオンのテーマ ”と”ぉめでとぉ!毎日が記念Be→ ”をやってくれなかったことだ。







この動画のmixは邪魔に感じない。耳が麻痺しちゃったのかもしれないけどmixがこれ以上ないタイミングで打たれている気がする。邪魔どころか楽曲に勢いを与えている気すらする。完全に俺が狂ってる説が有力。でも”ぉめでとぉ!毎日が記念Be→ ”の「ありがとうございました!」後に入っているヲタの「わぁあ……」という感嘆の声は心に響く美しい言葉だと本気で思う。つまり僕もライブを見て「わぁあ……」って気持ちになってしまったので、そのままの勢いでCDを買うために生まれて初めて物販に並んでみた。ここでも面白かったのは、『彩の国Ver』を唄っていたアイドルグループはファンと一緒に写真を撮っては長々と話し込んで最終的に運営側のスタッフから打ち止めをくらっていたのだけど、hy4_4yhはMCからも窺えるようにファンとの距離を必要以上に縮めないというか、誠意を持った対応はするんだけどアーティスト側とファン側の距離感をきちんと図っているプロフェッショナルさが垣間見えた。僕の前に並んでいたおそらく古参の方々がプレゼントなどを渡したりして中々買えずに困っていたらhy4_4yhYumikoさんが「どうぞどうぞ」と気さくにスペースを開けて下さって無事にCDを買うことが出来た。しかも遠慮がちに「サインとか書きましょうか?」と薦めてくださるもんだから全員のサイン貰っちった!!!!!!!



その後、童謡アイドルポップユニットが最後まで頑張ってファンに写真を撮られている中で、「ありがとうございました!」と一礼したかと思うと颯爽とダッシュ飯田橋ラムラの店内を駆け抜けていったhy4_4yhの後姿はカッケーと思った。ヤフオクにこのサイン付きCDを出すか出さないか迷うくらい心から売れて欲しいです。そして売れるべき人たちだと思います。