情熱は約束を守る

Perfume First Tour「GAME」@Zepp Tokyoに行ってきた。燃え尽きた、完全燃焼した。こんな感覚は初めてだ。何もしたくない、何も言いたくない。会社にも行きたくない。明日仕事辞めそうだ(たぶん明日になったら素知らぬ顔で行く)。一緒に見に行った友人にライブ後「燃え尽きた」「言葉がない」を繰り返し呟いていた。ただ、家に帰ってから沸々と湧き上がるこの情熱をどうすることもできない。止め処なく熱だけが体と心から放射され続ける。この感情をこの瞬間に刻まなければ嘘になってしまいそうで怖い。とにかく書かなければという想いだけが爆発している。そんなわけで今日の感想を書きます。

PTA先行予約で確保したにも関わらずAの1000番台という奇跡的なクソチケットだったので開場ギリギリにZepp Tokyoに着いた。友達から「スゲエことになってる!」というメールを既に貰っていたので、ある程度予想はしていたのだけど、それを遥かに超える人の海。カウントダウンライブのときに今日一緒に見た友人と「すげえ客だな」と話していたのがバカバカしくなるくらい人と人が重なって巨大な波を作っていた。半年足らずでこんな事態になってしまうとは誰が予想できただろう。追い討ちをかけるようにAとBが同時入場という事実を知って「今日ほどみんな死ねと思ったことはないですよ」と友人に漏らしてしまった。ごめんなさいPerfumeとファンの皆さん。もう大半の客が入場した後にすごすごと右側の通路から一番前の扉を開けて入場。案の定ガチガチに人が詰まっている。こんなんじゃなかったのに!こんなんじゃなかったのに!!!と脳内でオリコン1位への嫉妬心がハンパないことになっていた。如何にクソ番でもやる気次第で最前近くまで行けたのが泡沫の夢のようだ。だって右側のドア閉まってねえもん。通路まで客溢れてるもん。で、無理やり押し込むんだもん。おかげでセンターまで行けたよ。

そんな訳で90年代に思春期を潜り抜けた世代には堪らなくもダサいSEの選曲(HRはもっさんの趣味?)に「ブラーとオアシスどっちが好きでした?」なんて会話をしながら既にバカかっつーくらい熱い会場の中で我慢しながら開演を待った。そうして一曲目が始まった瞬間ありえねえ、いやマジありえねえ圧縮の中、いつもどおり前方へと運ばれた。大阪のライブを体験したとき、オリコン1位になったことにより初めてのお客さんが増えてノリに統一感が薄れたのだと思ったけど、ごめんなさいと土下座したくなるほど東京すげえ! 本気でヤバかった。”GAME”すげえカッコイイ! ライブ始まる前に友達と反省した「今ヤバイくらいGAME好きになっちゃったんですよ」「やっぱりですか! 俺もなんですよ!」という後悔を思い出すカッコ良さ。なんか大阪よりもPerfume自体のダンス・シンクロ率も高まっていた気がする。”エレクトロ・ワールド”!!! 2曲目の時点で過去最大の汗の量! もう俺の周り全員ヌルヌル! つーかこれだよ! このノリだよ!!! この感覚だよ!!!! 笑顔を拘束できないほどにジャストなタイミングでみんなが乗ってくる! 最高だ!!! んで”コンピューターシティ ”! この時点で後ろへと場所を移動する人が出るまでに異様な熱気! 少しでもスペースが空くと高速でガンガン詰めてきよる! ここで気付いた、ロックフェス慣れしてる奴らばかりだ! いつもなら余裕で最前近くまで流れで行けるのに、ムカツクくらい肩と腕の使い方うめえ奴らばっかりだ! 10分に1歩ぐらいしか前に進めないツワモノばかりだ! だけどそれが最高に気持ちいい! 畳み掛けるように”コンピュータードライビング”! 揺れてる! めっちゃハンドル持ってるよ! 大阪がウソみたいだよ!!! 東京最高!!!!!

MCはホント部分部分しか覚えてない。のっちの「Perfumeのライブ初めての人!」に隣のスキンヘッドの人が手を上げていて、確かに最初はノリがおとなしかったんだけど最終的には屈強なるパフュヲタに成長していたのには色んな意味で泣けた。Perfumeすげえ、俺の周りの客すげえ。

Twinkle Snow Powdery Snow”、”Baby cruising Love”、”ファンデーション”、大阪ではホッコリしながら見れる余地があったのに、東京は落ち着く気などサラサラねえPerfumeに狂った奴らばっかりだ! 一々大阪を引っ張り出して大阪批判をしているようだが、今日は本当に半径3m内のファンに恵まれていて、ライブ慣れしているというか『休む』という言葉を忘却した人間ばかりだった。Twinkle Snow Powdery Snowで大サビ後の、ライトが落ちてセンターでのっちが天に向かって指を差しながら唄いだす場面は今まで見たTwinkle Snow Powdery Snowの中でも屈指の瞬間で、俺の視界に入る全ての人間がのっちを指差して、あの残念プリンセスのっちが神々しくもあった。Baby cruising Loveのラストのリフレインを唄うようなウザったくも熱いヲタもいて、俺が声出して跳ねたならばすぐさま後に続いてくれる人ばかりで最高に楽しかった。そして最初よりもだいぶ前方に移動して気付いた。ここ最前ブロックじゃねえッッッ!!!! 俺の前にいる客がやたら足腰重てえ人間で肩を入れて頑張ってみても不動極まりなくスゲエなと感心していたら、よく見ると前にバーありやがる!!! なんつーこった! これ以上前に行けない! ていうかバーより前のブロックのほうが断然ゆるい! 客超ゆるい! スペースすげえある! なんでこのブロックだけPerfumeに命賭けてますよみたいなイカレタ奴らばかりなの!? 最高じゃねえか!!!!!!

”Butterfly”が流れてPerfume舞台にいないのにぜんぜんモッシュ止まらねえ! 前の野郎むしろPerfumeいるときよりも元気に頭振ってやがる! つーかこいつが動くと体ギュウギュウに接触している俺も自動的に動かざるを得なくて自然に周りも自棄気味に頭振っていて安息って言葉を返してよ!と今年で26歳の自分は泣きそうだった。”Take me Take me”はかしゆかがエロイと評判だったので、最初はかしゆかばっかり見ていたのに辛抱溜まらずにのっちを見てからはやっぱりのっちだけを見てしまった。だってのっちエロいんだもん! のっちの躍動美はエロスですよ!!! そこからの”シークレットシークレット”!!! イントロがかかった刹那に客暴発! でも一瞬のフェイドアウトにはきちんと静まる出切る奴らだらけ! 俺、客のことばっかり書いてる!!!!! この曲は何度も言うけどマジ泣けますよ、かしゆかが堂々と三歩前に出てきたら誰だって泣くでしょうよ!の上に”マカロニ”!!! セットリスト知ってるのに「キャアアア!」って叫んじゃった。好きで好きでしょうがない。「これくらーいの感じで♪」の菱形ダンスを左隣の客がやっていてガツンガツンエルボーくらったのに(すいませんと謝る紳士さを持っていた)ニヤケが止まらない。そりゃマ・マ・マ・マカロニ!って言いたくなるでしょうよ!

でもってここのMCですよ、もう初めてですよ、あ〜ちゃん早く唄にいってくれと願ったのは。Perfumeファンに有るまじき想いなのですが、それほど限界ヨロシクでした。大阪なんて寝ずにライブ行っても俄然綾香だったのに、バリバリコンディション整えてきた今日なんてマジで大きく深呼吸するまでに体力メーター点滅していました。なにより大阪でやってたあのショートコントが続いていたことに衝撃を受けた! しかも本編よりもダイジェスト版(かしゆかナレーション)のほうが遥かに面白いという二度目の衝撃!!! やっぱりこれのっちを男優にしたのは完全なるミスキャストでしょ! のっち童貞ハートの持ち主だもん! でもそこがイイ!!!

滑らかに”ポリリズム”のポージングに移動して歓声! やっぱり何処でもポリリズムの人気はすごい。ポリループでも大歓声。この辺で自分の体の異変に気付く。汗かいてない。脱水症状起こしてる。そんな中、”チョコレイト・ディスコ”。よし、死のう!と決意しました。「Perfumeと云ふは、死ぬ事と見付けたり」と覚悟を固めました。でも実際死んじゃったらPerfumeに多大な迷惑がかかるので死なない程度に暴れまわりました。いやぁ気持ちいい、初めてこの曲をカウントダウンライブで聴いたときは客イジんないで原曲に忠実にやって欲しいなあと思ったもんだけど、今となっては「ディスコ! ディスコ! ディスコ・コ・コ! ディスコ!!!」と手を伸ばして叫べる幸せは何にも代え難い(つーか「期待してる男の子!」でかしゆかに指差された! あ〜ちゃんが視線を外したら負けだっていうからずっとエロ目で見ちゃいました!)。でも”パーフェクトスター・パーフェクトスタイル”の指リンリンも捨て難いよね! 周りの奴らが踊れる人間ばかりで楽しくてしょうがなかった。ここでこうくるっしょ!ってタイミングで絶対そろえてくれる。一体感を強制する気なんてさらさらないし、テクノなんて自由に楽しむことこそが正解なんだと思うけど(ディスコとかテクノポップとの違いはまた今度)、オシャレクラバーに何て言われようが僕の中ではこの熱くてキモくて臭くて破顔しちゃう感覚こそがPerfumeベストの楽しみ方です。だって”ジェニーはご機嫌ななめ”を聴いたら死んだ体が何度でも蘇生できるんだ。いくらでも「のっち!」「あ〜ちゃん!」「ゆかちゃん!」と声が絞り出せるんだ。魂を燃やして”Perfume”を謳歌できるんだ!!! 所狭しと「ユー、ユー、ユー、ユー!!!」とPerfumeへと伸ばされる手の先から迸る愛ですよクラバーのみなさん! 僕にとって本当に美しいものがそこにはあるんですよ!!!

だからこそアンコール後の(時系列違ってたらゴメン)のっちの言葉には涙した。のっちが一人で喋りだして(この日ののっちはやたら感情的だった)「みなさんPerfumeを見に来たんですか?」という当然の問い掛けをした。急に何言い出すんだろうこの子はと疑問に思いながら「オオオー!!!」と盛り上がる客に対して「違いますよね! みなさんライブをやりに来たんですよ!!!」と説教しだしたのは感動した。今日ほど心底実感した日はない、セットリストがほぼ同じでもオーディエンス次第でライブは幾らでも形を変える。僕は今日ここ来れて本当に良かった。

”セラミックガール”では直前に(既にポージングしてた)あ〜ちゃんが振り付け指導を思い出して「東京のみなさんはやっくれない!」とか言いながらもなんとか踊って乗り切ったが正直あの振り付けはノリづらい!っていうか無理がある! でもダンスは相変わらずカッケェえ! あ〜ちゃんがスライドしてゆくのが美しくて惚れた! またも大阪からの時間の流れを痛感することになったのは『ぐるぐるのポーン!』のコーナーが『ルーレットでゴーゴー!』のコーナーに変わっていたことです。何時の間にやら客参加型のシステムではなく、Perfume3人のガチンコじゃんけん大会になっていました。ルーレットで選ばれたのは”彼氏募集中”、”SEVENTH HEAVEN”、”引力”の3曲で、既に大阪でSEVENTH HEAVENを経験している僕は問答無用で彼氏募集中をプッシュするかしゆかを応援しました。更にかしゆかは一度も勝利したことないという事実を知ってかしゆかを全力で応援するものっちが友達欲しいとの理由で引力を勝ち取ったときは、マジで空気読めよと思いました(でも彼氏募集中は既にライブでやったらしいので仕方ないね)。wonder2に関しては、もう言葉がないっス。幸せでした。

ライブ後は珍しく3人とも涙腺がヤラれてる様子で、かしゆかが声を詰まらせたときは僕もヤバかった。あ〜ちゃんの「夢を諦めるな」話には一緒に見に行った友達が泣いたらしい。とにかくPerfumeの3人も最高に盛り上がってくれたみたいで、衣装チェンジの最中もいつもはライブのプチ反省会をしているらしいのに、今日はずっと裸で「楽しい! 楽しい!」と変態(かしゆか曰く)になってたらしい。お客さんが楽しい+スタッフが楽しい+関係者が楽しい=Perfumeも楽しい!の理論が今日のライブは完璧に成り立っていて、今までで最高のライブでした。心から僕の周りにいたお客さんにありがとうと言いたい。そしてPerfumeに超愛してる。おまけに恒例となりつつある、掟さんに拍手を。