時間が過ぎるその背中は美しいだろう? Yes!

5月31日のPerfume First Tour「GAME」@横浜BLITZに行ってきました。開場同時くらいにBLITZに着くと既にチラホラ入場しているお客さんがいた。ダラーと並ぶ列を素通りして入り口にたどり着くと、一緒に見に行った後輩が「にしおかすみこがいますよ!」と騒いでいる。どうやら来週の”HAPPY!”の収録をしていたようだったが残念ながら僕が見たときには何処かへと立ち去っていた。ロッカーに荷物を押し込んで最前ブロックに突入する。とりあえず後輩に「前線は女の子危ない」「たぶんなんも見えない」「後ろで落ち着いて見たほうがイイ」と散々脅して知人の目を気にしないで騒げる空間を作り出す。今思えば「どこら辺で見たほうがいいんですか?」とか質問していたから相当不安だっただろうに「わかんない、自分で探して」とフルパワーで突き放して放置した。近場の女の子よりも遠くのPerfumePerfumeは人を狂わせる。人が埋まりだすと所々で「ナオちゃーん!」と叫ぶ客の声が聞こえる。僕はテッキリBEE-HIVE當山奈央が来ているんだと思って、古参の眼力のあざとさに感心していたが、そういえば”HAPPY!”にも直ちゃんっていたね、あの人のポジションを知りたいね。

僕の周りのお客さんは比較的Perfumeライブ慣れしているような人間(ラグランシャツとタオルを装備している)ばかりだったので安心していたのだが、右隣の落ち着いた雰囲気の女性二人がどうも初めてPerfumeを見に来た感が強いスタイル(ゆったりしたワンピースにバック装備)と会話をしていて、大丈夫かなぁ……と心配していたら暗転してお決まりの圧縮が始まると「な、なんなの!? なんなの!!!」という断末魔と共にセレブ女性はフェイドアウトしていった……南無三! 最初に一言かけておけばよかったと一瞬後悔するも”GAME”の縦乗りと体力フルゲージの客のモッシュに体を委ねて何かもを忘れる。周りにそんなに背の高い人間がいなかったからモッシュの最中も悠々とPerfumeが見える。というよりも、あの地獄の仙台より生還した人間からしたら細波のような緩さで何が来ても笑顔で返せるレベルに現場ヲタとして成長していた。”エレクトロ・ワールド ”と”コンピューターシティ ”の時点で何人もの客が青ざめた顔で脱落して行く。その空いたスペースを争って客が肩と足を入れ合う。”コンピュータードライビング”で揺れたタイミングを狙って一歩でもPerfumeに近づこうとみんなが押し寄せる。しかしシンレッドラインを越えた僕からすればそんなアタックも鼻糞のようなもんで動かざること山の如しを貫き通す。ただ目の前の女の子が飛ぶたびに顎をガツンガツンと跳ね上げられて舌を噛まないように必死だった。女の子、すげえ。

MCに入ってPerfumeが酸素を吸いに端に避けたとき、かしゆかがミラーボール調のオブジェで髪を直していたのが可愛かった。コール&レスポンスするも、客は当然のように全てを完璧に返してしまい、あ〜ちゃんが「なんでみなさん知ってるんですか!?」と驚いていたが、みなさんキモヲタだからです!と返す以外なかった。最早おまいつばかりの客(僕だって、他のお客さんからすればテメェどんだけ来るんだよと思われているのだろう)で前線は固められていた。

Twinkle Snow Powdery Snow”、”Baby cruising Love”、”ファンデーション”、かしゆかがずっとカワイイ。今回のツアーには毎回違う友人を誘ってライブに行ったんだけど、なんとなくのっちが好きな奴らばっかりだったのに男子はあ〜ちゃんが好きになり女子はかしゆかが好きになって帰っていった。あ〜ちゃんはとにかく優しいし、かしゆかは永遠にカワイイからしかたない。だけど一周回ってのっちに辿り着いてしまうのもまた致し方ない。

”Butterfly”後の”Take me Take me”は、かしゆかの流し目を頂き発狂死しかけた。最後の最後でかしゆかのエロさを理解した。”シークレットシークレット”は今まで高まりすぎて何も記憶に残っていなかったから最後に落ち着いて観賞することにした。「これは運命なんだね/たしかにそんなようだね」このパートの三人で向かい合いながら指を鳴らして回っているダンスが最高にグッときて泣きそうになった。やっぱり”GAME”の中ではダントツにカッコイイ。と、ここまで書いておいてなんだが全く感想を書く気になれない。なぜなら6月1日ファイナルのレポートを読んでしまったからだ。なぜ僕はあの場にいなかったんだ、何十万払ってでも行くべきだったのでは? あらゆる後悔と嫉妬がとめどなく湧き上がる。僕はハロプロが大好きだったけど二年に一回くらいしかライブに行かない超在宅派だった。それがPerfumeのおかげで毎週のように現場に赴いて汗だくになって楽しむような必死ヲタにまで成長できた。それなのにどうして最後だけ見逃してしまったんだろう。どうもPerfumeのMCを聞いていたら5月31日のチケットを取れた人間はファイナルのチケットを取れていない風な言い方をされていたのでしょうがないっちゃしょうがないんだけどやり切れない。

そりゃこの日のライブだって楽しかったよ、喋りすぎのあ〜ちゃんに「早く曲行こうよ」と言ったかしゆかは可愛かったし、”ジェニーはご機嫌ななめ”でのっちに煽られたし、”Perfume”ではあ〜ちゃん爆レスを受けた気になっている。”セラミックガール”でサイリウムを振っている客にビックリしたし、ルーレットで客に過度の期待をされてテンパってるかしゆかにキュンキュンしたし、気を使ってのっちが「パーだす!」と宣言して、それを聞いたかしゆかがのっちありがとうとばかりに「チーをだす!」と宣言して、それを聞いたあ〜ちゃんが「じゃあグーだす!」と一切合財空気を読まない天使っぷりを炸裂させていた。このガチさこそがPerfumeだ。しかもあ〜ちゃんが勝った上に「やっちまった!」って感じで頭を抱えていたのが笑えた。ラブリーって辞書で引いたらあ〜ちゃんって書いてあったよ。”wonder2 ”だっていつもどおり胸が一杯になったさ! でもファイナルに行った奴らはいつも以上の瞬間を味わったんだろ!? すばらしくNICE CHOICEな瞬間を体感したんだろ!!! くそったれ! ライブ後汗だくになってスダレみたいな前髪になった僕を見て後輩が爆笑してたよ! そんな後輩と帰宅している最中、駅のホームでハロヲタモダチ二人に偶然会って全力で無視しちゃったよ! 声かけられた瞬間、心の中で頭抱えていたよ! しかも事前に冗談交じりで「見つけても喋りかけないで下さい」みたいな悪魔発言をしておいたのに「AKB48のチケット取れましたよ」みたいなことを喜々として言われて、こいつを今ココで殺すか、今すぐ僕が電車に飛び込むか、後輩の顔面に熱々のラーメンを「そいッッッ!」と被せるか悩んだ結果、二人の存在を無かったことにするという血も涙も無いマネをしたよ! 後輩に「あの人たちとはどういう関係なんですか?」と訊かれて「マ、マイミクの人……」とギリギリな言い訳をしたよ! そうさ、僕はハロプロAKB48も女の子に薦められないのにPerfumeはプッシュしちゃうファッションヲタクさ! 流行りものに弱いから後輩にはアイドルを薦めずにシフォン主義を教えておいたよ! アイドル背信者だ! ユダヲタだ!!! 電車に乗って消えてゆく僕らを見てヲタモダチが「友達じゃないのかよ……」と呟いたエピソードを聞いたときはさすがに塵みたいな僕の良心って奴も痛んだふりをしたけど、三日後にはそのヲタモダチAKB48を見に行った極悪非道なマイライフ。そんなAKB48が面白すぎたので次回はそのライブ(公演)の感想を書きます。